【一般・リハビリ専門職】高血圧と低血圧 注意すべき点

【一般・リハビリ専門職】高血圧と低血圧 注意すべき点

こんにちはk-hippoです

本記事はバイタルサインの1つでもある「血圧」をテーマに高血圧と低血圧のことについての記事です。

健康管理をするのにおいて切っても切り離せない血圧。では血圧とは実際なんなんでしょうか?そして注意する点は何でしょうか?

この記事では血圧というものはなんなのか?どういうタイミングで上昇・下降するのか?リスクはなにか?高いとどういう問題が生じるのか?をガイドラインや先行研究や書籍などを引用しながら説明していこうと思います。

血圧の知識をつけることによって、一般の方であれば自分や周囲の人の健康管理、リハビリ専門職の方であれば対象者の方々への日常生活への応用や自主練習の提供、リハビリテーションの展開に役に立つと思います。

*リハ専門職・リハ学生の方々へ:本記事では参考にした書籍はサイト下部、引用した論文は全てリンク作成するか、論文名を挙げていきます。そちらの原著を見ていただければ論文作成の引用文献や学会発表、実習でのレポート作成に役立つと思います。

血圧ってなに?

まずそもそも血圧ってなにかを説明します。

血圧とはリハ職の人向けの言葉で説明すると「抹消血管抵抗×心拍出量=血圧」と表現されます。

スマートフォンアプリ「Atlas」より

一般の方に向けて簡単に説明すると

抹消血管抵抗・・・・血が血管を通る時に管が血を押さえつける力のことです。ホースと水で説明すると、ホースの口を押さえると勢いよく水がホースから飛び出ていきますよね?それが抵抗をあげている状態ということです。動脈硬化があったり、血管の柔軟性が高まると抵抗は大きくなり、血圧も高くなります。

心拍出量・・・・心臓が全身に送り出す血液の量です。心拍出量は心拍数や心臓の拡張能(心臓が伸びたり縮んだりする機能)に影響されて決まります。

これらの要因で血圧というものは決まってきます。

血圧の正常値は120〜130/80〜85mmHgと言われています。この基準より上の血圧は10mmHg程度上に上がっても一応正常値内で、下の血圧は20mmHg程度は下がっても問題はありません。(特別な病気にかかっていなければ)

この計算式(抹消血管抵抗×心拍出量)のどちらかが増えれば血圧は上昇するということですね。

簡単に例を挙げますと、運動すると血圧は一時的に上がりますね。それは当たり前と思うかもしれませんが、上記の計算式に当てはめて現生理学的な機序を簡単に説明すると。

息が上がる程度の運動する→交感神経優位となる(抹消血管の収縮により抵抗↑)・筋肉を使用するため、筋肉へ血流を多く供給しようと心拍数が上がる(心拍出量↑)→血圧上昇

というような感じです。

他にも抹消血管抵抗があがる要因としては老化による血管柔軟性の欠如、動脈硬化というような器質的な変化もあります。心拍出量の変化については、運動、体位変換、心疾患(不整脈・心拡張能)などの要因が挙げられます。

どの原因で血圧が変動し、影響を与えているのか?そしてそれは運動や食習慣、薬などで改善可能なものなのか?ということを考えたり、主治医に相談することで改善の糸口が見えるかもしれません。

高血圧

高血圧は140/90mmHg以上のことを指します。また、高血圧治療ガイドライン2019では高値血圧の部分に関しても注意をしてほしいと促しています。高血圧状態が続くと脳梗塞や脳出血、くも膜下出血、大動脈解離などの病気や腎機能の低下などを引き起こします。

血圧を測定して上の血圧が180〜200mmHgに到達する様なことがあれば高血圧緊急症と言われる急性の高血圧になっている可能性があります。頭痛、嘔吐、悪心、視力障害などその他神経症状がある場合にはすぐに救急連絡してください。

症状が安定して高血圧が続く方もおられます。そのような慢性の高血圧の場合にはかかりつけ医に相談し、降圧剤などの検討をしていていただくと良いかと思います。

分類

日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2014」を参考に一部2019年版に変更

現在では「高血圧治療ガイドライン2019」が発表されており、もし最新の情報を習得したい場合には上図のリンクから学会HPにアクセスし購入して読んで頂けたらと思います。

内容としては塩分摂取6g/日未満が本当によかどうかのメタ解析によりエビデンスグレードが発表されていたり、上図の高血圧の分類がわずかに変更(上図は2019年版に変更している)されたり、冠動脈疾患や高齢者にたいする目標血圧などが厳格化したりというような内容が新しく更新されています。

動画紹介

公式HPで一般の方向け、医療従事者向けにyoutubeが配信されていますので下にリンク貼っておきますね!

医療関係者向け限定公開動画
一般の方向け動画 EP1
一般の方向け動画 EP2

高血圧に対する具体的な対策

高血圧に対しての具体的な対策ですが、一般の方に言えることは適切な「運動」「食事」「服薬」によるコントロールをかかりつけ医と一緒に考えることです。

リハビリテーション専門職に方に言えることは、対象者の方に対しての具体的な運動指導、主治医・看護師・管理栄養士を交えた具体的な生活指導を行うことを考えることです。また、今回の高血圧治療ガイドラインだけでなく、各疾患のガイドラインや最新の論文に目を通すことで新しい情報を習得し、リスクを避けてリハビリを展開する必要があると思います。

最新の論文やレビューを見たいなら文献検索!!

運動

高血圧治療ガイドライン2019を参考にすると、軽強度の有酸素運動を30分/日もしくは180分以上/週を行うことといわれています。軽強度の運動というと、「ちょっと息が上がるな」「すこしきついかな」というような運動です。具体的には「少し早めのウォーキング」「スイミング」「エアロビクス」「自転車エルゴメーター」などです。

これは必ず1回の運動時間で30分以上行わなければならないわけではなく、1日15分を2セット行うことでも効果があるといわれています。

食事

食事に関しては減塩食が勧められており、これは日本国民全ての人がそういう認識を持っているといっても過言ではないと思います。ガイドラインでは6g未満/日という食塩量で設定されています。

ピンとこないかもしれませんので、醤油大さじ1杯=約2.6gと思っておくとわかりやすいかと思います(1回のお食事で大さじ1杯以下の醤油しか塩分は使えないと思ってください。すくなっwww)

しかし、近年の報告では減塩が本当に効果あるの??っていう話を聞くようになってきたかと思います。LancetやJAMAで発表された研究では、2018年に「1日のナトリウム摂取量5g(食塩約13g相当)を超える場合は脳卒中などを含む心血管病変のリスクが上昇した」という報告があったり、少し古いですが2011年には「1日に10〜15gの食塩を取る人が最も脳卒中死亡率が低かった」という報告もみられます。

よって、何が正しいっていうのはよくわかりませんwwwただ、完全に摂りすぎるということは全ての研究で共通してリスクとなることは間違いないため、摂取しすぎないことは勧めませんが、節制するという観点に関しては、現代の食生活で普通に意識していくレベルで良いのでしょうね。

服薬

服薬については直接的に一般の方、リハビリ職種の方々がコントロールに口出しすることは困難です。しかし「高血圧を打ち切ってしまうと認知症(認知機能が低下)になるリスクが増加する!?」という報告などもあり、勝手に止めることや自分だけで量をコントロールするということは止めておきましょう。お薬に関しては、主治医・かかりつけ医にしっかりと相談の上、用法・容量をしっかり守って服薬しましょう。

低血圧

低血圧は上の血圧が100mmHg未満のことを指します。低血圧は主に①本態性低血圧②症候性低血圧③起立性低血圧に分けられます。原因がわからない、原因疾患のない低血圧は本態性低血圧に分類されます。主に女性に多いとされいます。

起立性低血圧は言葉に馴染みがあるように、体位が臥床(寝る)から座位(座る)や立位(立つ)に変わった時に3分以内に収縮期血圧で20mmHg以上、拡張期で10mmHg以上の低下がみらた時のことを言います。

症候性低血圧では血圧の計算式でいう「心拍出量」が低下してしまって生じるケースが多いように思われます。

心疾患などでいうと心機能不全(心不全)などにより、心臓の拡張能(心臓が広がる機能)が低下し、十分な血液を心臓に貯めることなく拍出するため、拍出量が低下し、結果血圧低下を引きおこすということです。

低血圧では体の各所に血圧を感知するセンサーが存在しています(圧受容器とよばれるもの)。そのセンサーが血圧を低いことを感知すると、交感神経を介して血圧を上げようとします。

交感神経節の神経終末ではノルアドレナリンが分泌され、血管を収縮させ、血圧を上昇させます。また、副腎髄質からはアドレナリン分泌され、血中に入り、心臓の収縮力を高めます。

低血圧での兆候

低血圧ではリスクある病気(脳卒中や大動脈解離など)を引き起こすというより、ショックを引き起こすという方が正しい言い方になります。そのショックにより、意識障害が生じ、緊急であることが他者に知らされず、重要器官に血液が十分の送れなくなり、全身機能不全となって、最悪の場合は死に至ります

低血圧で生じる兆候はショックの5Pと言われ

  • pallor 蒼白
  • perspiration 冷や汗
  • prostration 虚脱
  • pulselessness 脈拍触知不能
  • pulmonary deficiency 呼吸不全

の症状を引き起こします。血圧が低くなり、この様なサインがで始めた時には安静にして横になること、足を心臓より高く上げることが望ましいです。緊急性を要する場合にはすぐに救急連絡し、緊急性を要さないまでも、頻回に起立性低血圧を生じてしまう場合や症状が治まらない場合にはかかりつけ医に相談しましょう。

低血圧に対する具体的な対策

低血圧に対しての具体的な対策は上記にもあるように、まず、血圧を上げるような体位を取ることです。

立っているのであれば、座る・寝る姿勢となり、可能であれば足を心臓よりも高い位置にあげます。こうすることで心臓に血液を返し、血液循環量を上げることができます。

それでも血圧が改善されず、脈が触れなくなる状態であれば(橈骨動脈がふれない=約80mmHg以下、頸動脈がふれない=約60mmHg以下)すぐに人を呼びましょう。

在宅であれば常に心臓・呼吸をモニタリングし、意識消失・呼吸停止・心停止に陥った場合にはすぐに救急車を呼び、CPR(心肺蘇生法)を施しつつ、AED使用し救急隊を待ってください。

まとめ

本記事では血圧に焦点を当ててみてきました。まとめると

  • 血圧は「抹消血管抵抗×心拍出量=血圧」で決定される
  • 抹消血管抵抗、心拍出量の変化する要因を考える
  • 高血圧では高血圧治療ガイドラインなどを参考に運動、食事、投薬でコントロール
  • 低血圧は5Pの兆候をモニタリングしリスク管理

という点に注意していけばよいかと思われます。

今回は「血圧」ということだけに焦点を当てましたが、正直いうと様々な病気との関連によりコントロールの方法も大きく変化します。これも「高血圧治療ガイドライン2019」に全て掲載されています。

脳卒中や糖尿病、腎疾患、心疾患などによりコントロールされる方法や数値などが様々設定されています。摂取できる食事や薬も異なり、運動量にもそれぞれ違いがあります。

リハビリテーションを提供している専門職の方々でこの記事をみて、病態別の血圧管理ができていない不安がある方はガイドラインを個人で購入したり、病院・施設で購入伺いをしてみたりして確認しておきましょう。