【必見】理学療法士、作業療法士の知っておきたい電気刺激療法の基礎知識

リハビリテーション

こんにちは〜ヒポ太郎です

今回の記事は『電気刺激療法の基礎知識』という内容です

電気刺激って、あんまり詳しく習わないし、全然知識ないなぁ。でも勉強するの大変そうだなぁ・・・。

  • 電気刺激療法を勉強したいけど、全く基礎知識がない
  • これから臨床で使うのに、最低限の知識が欲しい
  • 勉強会に行く前に、いったん少しだけ知識を入れておきたい

このような方々へ向けて、電気刺激の基礎知識をわかりやすく理解できる記事となっています

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電気刺激療法とは?

電気刺激療法とは、電気エネルギーによって引き起こる生体反応を治療に応用したものである

エビデンスから身につける 物理療法

とされています

ヒトの脳からの伝達は全て電気信号に変換され筋肉に伝達されています

ですので、脳卒中などで麻痺している場合には、脳からの伝達がうまくいかず、筋肉を動かすことができないため

局所で電気刺激を行い、活動電位を発生させることで筋収縮を引き起こさせるということですね

局所で電気刺激を行い、活動電位を発生させることで筋収縮を引き起こさせるということですね

電気刺激療法で得られる効果

様々な効果が報告されていますが、基礎知識として知っておくには

鎮痛効果、筋緊張の緩和、筋力増強、神経筋再教育、萎縮予防、動作・歩行機能の再建

と、この辺りを把握しておくと良いでしょう

治療的電気刺激(TES)と機能的電気刺激(FES)

治療的電気刺激(therapeutic electrical stimulation:TES)は筋力増強や神経筋再教育を目的としたで神経筋電気刺激(NMES)と鎮痛を目的とした経皮的電気刺激(TENS)に分けられる

機能的電気刺激(Functional electrical stimulation:FES)は疾患により障害された器官の機能を、本来の制御機能と近似した電気刺激にて合目的的に失われた機能を代償あるいは補完しようとするものである

今までのことを1つのスライドにまとめたものが以下の図です

ようするに

電気の力によって、体に反応を起こし目的の効果(鎮痛や筋力増強)を引き起こす療法。その目的によって電気療法の使い方・設定の仕方が異なる

ってことです

本や論文などでは、ここからの基礎知識として、『電気とは?電荷の単位はクローン、ジュールなどが使われます・・・・・・』

みたいな話になり、

『よし、電気療法の勉強やめよっ!』

ってなる項目になるので、そこは省略しますwww

ぶっちゃけ知らなくても大丈夫な知識は後から興味が出てきたら知ればいいです(笑)

タイトルにあるように『知っておきたい基礎知識』のみを挙げていきますので安心して続きを見てください!

電気刺激によって神経が興奮するメカニズム

電気の知識(物理学)よりも、生理学のメカニズムを知っておく必要があります

最悪ここの項目も『いや、生理学ムリ。やめた。』ってなる人はぶっ飛ばして次の項目から見てください(笑)

なんで電気刺激で筋肉や神経に反応があるの?

エビデンスから身につける 物理療法より転載

基本的には神経細胞の内側にはカリウムイオン(K +)が、外側にはナトリウムイオン(Na +)が多数存在しています。もともと細胞内は外よりも70mV程度低く保っている=静止膜電位

電気刺激を与えることで、イオンの移動が引きおこり、細胞外のNa +が細胞内に流入し、K +が細胞外に流出することで、細胞内の電位が40mV程度まで上昇し脱分極が起こる=静止幕電位→活動電位となり、神経が興奮し、筋収縮などの反応が生じる

なんとなく大学や専門学校の授業で聞いたようなワードですよね?

とりあえず、

じーっと止まっている神経細胞に電気刺激が加わるとイオンが移動して活動電位が生じ、興奮する=生体反応する

と思ってもらったら大丈夫と思います

じゃあこれを知ってるからなんなの?って思うかもしれませんが、

電気刺激療法を選択する際に、電気刺激を当てたい場所の末梢神経細胞が生きているということが大前提となってきます

脳卒中の方であれば、中枢神経に損傷を生じていますが、末梢神経は基本的には問題はないはずです。ですので、電気治療機器(IVESなど)で電気刺激を加えた時には、神経が刺激され、その神経が支配している筋肉が反応するわけです

しかし、ギランバレー症候群(軸索型)など末梢神経障害を主とするような病態であった場合、跳躍伝導ができなかったり、そもそも神経の興奮が引きおこならい細胞の状態になっていると、いくら強度の強い電気刺激を与えても反応しない(しにくい)わけです

電気刺激の生理学的機序を知っておけば、電気刺激療法を適応とする人が選定できるというわけです

まずは対象の方の基礎疾患が病態的に適応なのかどうかを判断しましょう

これがメカニズムを知っておく理由となります

電流のタイプ

電流のタイプについてですが、ここはややこしく、わかりにくい部分ですので、参考図書を引用して書かせてもらいます

概ねパルス波の部分を知っておけばOKと思います

理学療法士の方は交流(干渉波)なども参考になればと思います

電流には大きく分けて、直流と交流があります

直流

直流は一方向に持続的に流れている電流である。電極のプラスとマイナスの極性が固定されている。直流電流は創傷治癒や脱神経筋の刺激に使用されるが、その他、直流電流の特性を生かした方法として、イオントフォレーシスや前庭神経刺激、経頭蓋直流電気刺激がある

エビデンスから身につける 物理療法

直流電流は皮膚に影響が出やすいため、実施するのであれば、皮膚状況の観察、実施後の皮膚状態に注意をしておく必要があるようです

交流

交流は流れる方向が交互に逆転する電流です

プラスとマイナスの極性が交互に変わっていくような波です

エビデンスから身につける 物理療法 より転載

干渉波

干渉波とはNemecにより開発された異なる2種類の交流波形(1000〜10000Hzの中周波領域)が干渉することで生じる低周波(ビート周波数)を活用した電気刺激である。干渉波は他の波形よりも痛みが少ない、深部組織を刺激可能とし、より大きな領域の刺激が可能とされているが詳細は不明

2つのパラメーターの違う電流を流して、その電流が交差する部分(差が生じる)に生じる電気で治療するって感じの考え方です

腰痛の鎮痛などで、より深部組織への刺激が必要である時に、使ったりしますね

iCure(アイキュア)鍼灸接骨院より引用

ロシアン電流

2500Hzのキャリは周波数の交流波形を1秒間に50バースト(1バーストが2500Hzの交流波形10ms分)生成することで、低周波成分を作り出す方法である、効率よく筋収縮を惹起させる方法として1977年にKotsによって考案された

ロシアン電流については、私もよく分からず、実際にこの電気刺激を使用してのリハビリを行なったことがないため、深堀できません・・・・・すみません汗

パルス電流

パルス電流(パルス波)とは、短時間で急峻な変化をする電流(波形)信号の総称である。一方向への極性のみのパルス波を単相パルス波、二方向へのパルス波を二相性パルス波とよぶ。

近年の治療機器は二相性パルス波を出力する機器が多くなっているようです。長時間の使用にて電極直下の化学反応を防ぐためとされています

このパルス電流という部分が次の項目で頻出してきます

パルス電流の詳細な知識はなくてもOKですので

電気の性質の中に『パルス電流』というものがある

ということだけ抑えておいてください

これから紹介する機器は全てパルス電流(パルス幅)の設定が関与してきます

強さー時間曲線(SD曲線)

電気刺激療法で知っておかなければならない知識の大切なポイントの1つ

『SD曲線』

です

SD曲線は理学療法士の方は必ずと言っていいほど物理療法学などで聞く内容と思いますが

作業療法士の皆さんからしたら「はぁ?なにそれ?」って感じですよね

まずは図を見てください

これは、パルス幅(μs)×刺激強度(mA)により刺激される神経・筋というのが決まってくるというのを示している図になります

電気刺激機器によって、パルス幅や電流強度が詳細に設定できるものがあります

有名なIVESの場合は

OG技研 公式HPより

設定の中で、中央のつまみで0〜10で強度を設定するようになっていますが

伊藤超短波株式会社のエスパージという電気機器では

伊藤超短波株式会社 公式HP
伊藤超短波株式会社 公式HP

上記の右図のように、モードによって、周波数、パルス幅、ランプアップ、ランプダウンなどを詳細に設定できます

そしてパラメーターを設定したら、左図のメイン画面で出力(mA)を1mAずつ上げることができます

話がSD曲線から離れてしまいましたが、

SD曲線を参考にしながら、刺激したいターゲットに合わせて設定を変えていく必要がある

とういうことです

例えば、運動神経を刺激したいのであれば、IVESであればパルス幅は150μsで固定されているので、電流強度だけを調整して、狙った筋収縮が出現するまで上げればいいだけです

しかし、脱神経筋(上記に挙げた脱髄病変であったり神経病変)に対して筋力増強のための電気刺激をしようと思ったら、IVESではどれだけ強度を上げても全く反応しないわけです。少なくとも1ms以上のパルス幅で電流強度を上げていかなければなりません

要するに場合によってIVESなどでは対応困難であり、パルス幅を調整できる電気治療機器で刺激を行わなければなりません

今お使いの電気刺激機器がどのようなパラメーターで使用できるのかを把握し、SD曲線を参考にどの神経や筋に刺激したいか(できるか)を知りましょう

刺激のパラメーター

ではここからは実際にどんなパラメーターが関与するのかをみていきましょう

電気刺激療法で知っておきたい知識の中でもっとも必要なポイントです!

パラメーターは機器によって設定できるものと固定化されているものがありますので

導入する際には、

どこまで自由度があるのか?

その機器で、どの目的に対し電気刺激を使うのか?

を考えてから導入を考えましょう!

波形

多くの機器の場合は『対称性二相性パルス波』が用いられています

対称性二相性波形:電荷が生体に残りにくい。すなわち、長時間、高強度で実施しても皮膚反応が起こりにくい

とされています

この波形に関しては、正直パラメーターでいじることはありませんので

皮膚に影響の少ない波形で電気刺激してますよー

くらいの知識でOKと思います

電流強度(刺激強度)

電流刺激の強度を上げていくと、閾値を超えた時に筋収縮が起きたり、感覚入力が起こったりします

SD曲線の図でも分かるように、パルス幅が大きければ弱い電流でも運動神経などは興奮します

基本的には電流強度に応じて、感覚入力も筋収縮も増強していきます

電流(アンペア)で制御される機器と、電圧(ボルト)で制御される機器がありますが、一般的に多く使用される機器は電流(アンペア)で制御されます

ここで大切なのは、

どの電流強度がいいか?というのは、目的と対象者によって異なる

ということです

先行研究などを参考にし、目の前の対象者の方に類似した電気刺激の論文のパラメーターを利用するとよいでしょう

パルス幅(パルス時間)

SD曲線の横軸の数値となります

このパルス時間が増大すれば少ない強度で運動神経を脱分極(興奮)させることができますが、同時に感覚神経(AβやAδ)を刺激してしまうため、筋収縮は強く起きるが、痛みも伴いやすいということになります

神経筋電気刺激で用いられる場合にはパルス幅200〜400μs程度で用いる場合が多いです

Central Contributions to Contractions Evoked by Tetanic Neuromuscular Electrical Stimulationこの論文では、NMESの効果をパラメーターを変えて検証しており、抹消からの刺激と中枢神経からの刺激を組み合わせることで、筋萎縮の予防、筋力強化が期待されるかもしれないと述べています

周波数(Hz)

神経が活動電位を起こすかどうかは、パルス時間や強度に依存するため、周波数は関与しません

1Hz=1秒間に1回の周期で刺激をする

ということになります

1Hzでは『単収縮』と呼ばれる収縮形態となります

この周波数を増加させていくと『強縮』が生じます

強縮を引き起こすには20Hzの以上の周波数で設定することが必要となります

IVESなどのパワーアシスト機能で通電される電気は20Hzで設定されています

しかし、50Hz以上100Hzまでの高周波数となると筋収縮力に差はないという報告もあります

周波数を上げると筋疲労が起きやすくなりますので注意が必要です

立ち上がり時間、立ち下がり時間

電流強度が設定したピークに達するまでの時間を立ち上がり時間といい

最大ピークからオフ時間になるまでが立ち下がり時間といいます

これを設定する理由は、徐々に刺激が漸増することで急速に刺激が入ってしまう不快感を軽減できます

オンーオフ時間(サイクル時間)

このサイクル時間も重要なポイントの1つです

通電時間ー休止時間のサイクルのことです

筋力増強目的で、神経筋電気刺激を行なっている場合にずーっと通電していると当然筋疲労が生じてしまいます

オン時間とオフ時間は1:1〜1:5までの比率が一般的です

特に筋力増強を行う場合には1:3以上の比率で、オン(通電時間)に対してオフ(休止時間)は3倍以上は必要です

例えば通電5秒の場合には、休止時間15秒以上とし、20秒でオンーオフの1サイクルとします

モーターポイント

筋肉には電気刺激に対して最も反応しやすい部位が存在し、それをモーターポイント(運動点)とよぶ。筋を支配している神経の筋枝が筋に入り込む部位で、神経筋接合部が集まっている部位と考えられている

このモーターポイントをしっかりと捉えていなければ、狙った筋収縮などが引きおこらずに、痛みだけが生じてしまうこともあります

筋力増強などを効果を目的に使用していても、思ったように効果がでないということにも繋がります

下図を参考にしながら、対象の筋肉に効果的に通電できるようにしてみましょう

エビデンスから身につける 物理療法 から転載

人によって微妙にモーターポイントは違いますので、何度も電極を貼り直しながら、ポイントを捉えていくか、

モーターポイント探索ができる機器がありますので、そのような機器を導入し評価していくことをオススメします

伊藤超短波株式会社公式HPより転載

安全に実施するために〜禁忌・注意点・一般的手順

参考書として載っている注意点で主に挙げられているのは上図の内容です

あくまで物理療法を行う時の判断はセラピストで行うのではなく、主治医にしっかりと確認しましょう

おわりに

今回は電気刺激療法を行うにあたっての基礎的な知識を記事にしました

まとめると

1.電気刺激によりなぜ神経細胞が興奮するのか

2.電気刺激の種類

3.SD曲線

4.刺激のパラメーター(特に刺激強度、パルス幅、周波数、モーターポイント)

をおさえて利用できれば、最低限の基礎知識は大丈夫でしょう

あとは

どんな対象者に、どの目的で使うかによってパラメーターを変化させるか?

が最も重要となってきますので

数多くある先行研究や書物を参考にして展開していってください

最後まで読んでいただきありがとうございました

本日の参考図書

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