【脳卒中攻略】運動麻痺回復の3ステージ理論をわかりやすく徹底解説!!

アプローチの知識

こんにちは〜ヒポ太郎です

今回の記事は【脳卒中攻略】運動麻痺回復のステージ理論をわかりやすく徹底解説!!という内容です

このような悩みをかかえてる方へおすすめの記事です

脳卒中の運動麻痺ってどうやってよくなるのかな?なんか大体6ヶ月でプラトーとか言われるけど・・・

  • 脳卒中の運動麻痺改善がどのように起きるかしりたい
  • ステージ理論って聞いたことあるけどよくわからない
  • 脳卒中の回復・・もはや何がなんだかわからない・・・

本記事を読み終えたら、脳卒中運動麻痺回復のイメージができるようになっています

記事の内容はセラピスト向けですので、専門用語はガッツリ使っていきますが、

わかりやすいように解釈を入れて説明していきます!

ではみていきましょう

注:今回取り上げる運動麻痺回復のステージ理論は『Stages of Motor Output Reorganization after Hemispheric Stroke Suggested by Longitudinal Studies of Cortical Physiology .Swayneら,2008』によって発表された内容に準拠して解説しています。あくまで理論ですので、確証されたものではないことを十分に理解の上ご覧ください

運動麻痺回復のステージ理論【3つの回復ステージ】

脳卒中運動麻痺の回復には3つのステージがあるとSwayneらは述べています

一般的にリハビリテーションは急性期〜回復期〜生活期と流れていきますが

その流れの中で、『今どの段階の回復過程にいるのか?』ということが

リハビリテーションプログラムを行う上での理解に欠かせないといわれています

今回取り上げるSwayneらの機能回復メカニズムについては

経頭蓋磁気刺激TMSで皮質脊髄路の興奮性を指標とし、運動誘発電位MEPをとることにより脳卒中後の神経回路の回復過程を検証しています

その回復過程の検証の結果から『脳卒中発症後の経時的な神経回路再組織化のステージ理論』という知見で述べられています

要は『脳卒中が起きたあとに運動を引き起こす神経回路を刺激して、どんな回復するかを時間をおってみてみた』っていう研究です

その研究から、回復が以下の3ステージに分かれるということが推測されました

  • 1st stage recovery 残存している皮質脊髄路の興奮に依拠する回復
  • 2nd stage recovery 皮質間ネットワークの興奮性に依拠する回復
  • 3rd stage recovery シナプスの伝達効率の向上に依拠する回復

難しく書いていますが、これから各のステージについて解説していきます

ざっくり結論から述べておくと

  • 第1ステージでは、生き残っている機能(神経回路)をひたすらに刺激してリハをおこなえ!
  • 第2ステージでは、新たに作り出される神経ネットワークをできるだけ良い方向にもってけるようにリハしろ!
  • 第3ステージでは、作り出されたネットワークの伝達速度を上げれる(効率性を高める)ように継続してリハしろ!

というかんじです

では各ステージを見ていきましょう!

1st stage recovery 残存している皮質脊髄路の興奮に依拠する回復

第1ステージでは、生き残っている機能(神経回路)をひたすらに刺激してリハをおこなえ!

急性期の回復メカニズムは生き残っている皮質脊髄路をどれだけ興奮させてリハビリできるかに依存している時期である

といわれています

図を見ていただくとわかりますが、発症後から残存している皮質脊髄路の興奮性が激烈に低下していきます

だから生き残っているうちに、早くから動かすことが必要というわけです

なぜこれだけ急速に低下していくかというと、損傷した皮質脊髄路(神経)はワーラー変性を引き起こすからと考えられています

ワーラー変性:ワーラー変性とは、神経線維が切れたり、損傷で挫滅して、神経細胞との連絡が断たれたときに生じる変化。 神経線維の切れた部分より下(遠位)の方から始まり、切れた部分より遠位の神経繊維は変性・萎縮・消失してしまう変化

リハビリテーションの早期介入により、このワーラー変性が抑制されるかどうかということはまだ明らかにはなっていないようですが

急性期において運動麻痺を回復させることができるリハビリテーションというのは、いかに早く皮質脊髄路を興奮させ刺激できるかにかかっています

第1ステージではどんなことを行うか?

理学療法では早期から座位・立位・歩行といった抗重力位での身体活動を開始させ、随意的に麻痺側が活動するような姿勢をとることです。また、可能であれば、ベルト式の電気刺激などを用いることにより、大腿部や下腿に筋収縮を入れ、より興奮性を高めることなどが考えられます

作業療法でも同様に、抗重力位での作業活動、上肢機能に特化していえば、電気刺激療法やミラーセラピーなどを用いてより皮質脊髄路を抹消からも、中枢からも興奮させていけるような介入が望ましいかと考えられます

以上第1ステージの『生き残っている機能(神経回路)をひたすらに刺激してリハをおこなえ!』でした

2nd stage recovery 皮質間ネットワークの興奮性に依拠する回復

第2ステージでは、新たに作り出される神経ネットワークをできるだけ良い方向にもってけるようにリハしろ!

発症から大体3ヶ月をピークとした時期に、皮質間における新たなネットワークが作り出されます

通常大脳皮質は皮質間のネットワークがうまく働くように、興奮・抑制をうまく組み合わせて働いています

しかし、脳卒中などによって、皮質がダメージを受けてしまうことで、皮質の一部では興奮も抑制もできなくなる部分が生じます

このことはプラスに捉えると、『新たなネットワークを再構築するために、抑制がはずれた状態』とも捉えられますし

マイナスに捉えると『余計な部分が興奮し、必要な出力が出てしまう』ということでもあります

マイナスの例をわかりやすいもので説明すると『痙縮』です

この3ヶ月をピークとする時期には、脱抑制となることで様々な変化が生じ、再構築をされていく時期となります

このステージの『できるだけ良い方向にもってけるように』というのは

ネットワーク再構築の中で、良い変化も悪い変化もどちらも生じるため、できるだけ良い変化できるようにしていく必要があるという意味なんですね

第2ステージではどんなことを行うか?

ここでの所見はあくまで筆者の考えとなりますゆえ、ご参考までに(作業療法士のため、理学療法の内容が浅くなることをご了承ください・・笑)

理学療法では身体的な変化に応じた、起立・歩行動作の獲得や装具療法の実施、半球間抑制なども考慮した非麻痺側の過剰努力を行わないプログラム、また予後的な身体機能を見据えた効率的な動作獲得という視点で介入することがよいのかと考えています

作業療法では日常生活場面における動作を、獲得できる動作と代償すべき動作、環境調整に任せるところというのを徐々に区別していき、自宅などで生活できるかどうかの予後を考えていく介入となるかと思います。上肢機能に特化していえば、痙性が高まっている時期ではあるため、痙性を利用した動作の獲得を視野に入れつつ、上肢の動作をコントロールし生活に参画させる課題(task practice)を行い、麻痺手を使うための行動変容を引き起こしていく介入が必要と考えられます

以上第2ステージの『新たに作り出される神経ネットワークをできるだけ良い方向にもっていけるようにリハしろ!』でした

3rd stage recovery シナプスの伝達効率の向上に依拠する回復

第3ステージでは、作り出されたネットワークの伝達速度を上げれる(効率性を高める)ように継続してリハしろ!

その後6ヶ月を経過しても持続して強化される部分としては、シナプスの伝達効率の向上です

第2ステージで作られた新たなネットワークをどんどん使っていき、その繋がりをより強く、早くしていくことがこの段階になります

急性期〜回復期で歩行の回復過程をみていて、回復期退院時に『なんとか外歩いてるけど、不安な感じやなぁ』って感覚で見送ることってありますよね?

でも、退院後に何ヶ月かして病院に遊びに来てくれた時には『えっそんなに歩けるようになったんすか?もう杖ついてないじゃないっすか!』ってことになってることがよくよくあります

これは、回復期終了段階で作られた神経ネットワークのシナプス間結合がまだ弱く、効率的ではなかったことを示しています

しかし、継続したリハビリ(自分で生活する、自分で練習を考え行う)をすることで、確実に残存機能をより効率化していくことが可能となるステージです

また、回復期までで十分に使っていなかった機能であったとしても、ネットワークが少しでも構築されていれば、再度効率化を図ることができます

その療法の代表格が『CI療法』です

CI療法がなんぞや?という方はまたいずれ記事を書きますので更新をお待ちください・・・

CI療法では、もう改善しないといわれている生活期(発症から6ヶ月以上経過している)において、脳卒中片麻痺の上肢機能を改善させる効果を発揮しています

これは世界でもエビデンスが認められており、各国で高いエビデンスグレード、推奨グレードを獲得しています

第3ステージではどんなことを行うか?

この第3ステージでは理学療法、作業療法ともに『継続した活動』というのがポイントと思われます

理学療法では自宅で家から動かないよりも、通所リハや訪問リハを使い、外にでて違う環境で歩いたり動いたりすることを継続する自分の活動範囲に限界を決めず、畑や近所のスーパー、旅行など自分の楽しみや生きる意味を見いだせる場所への移動が継続できるようにリハビリテーションを行う必要があると考えています

作業療法では上肢機能の改善などでいえばCI療法の特化した療法もありますが、基本的には日常生活の中で麻痺手を参画させて使用していくこと、炊事や洗濯、掃除などを含め、生活に必要な動作や作業を極力自身で行い続けることが必要と考えています趣味の継続や、気持ちを豊かにしてくれる精神・心理面的に健康になれる作業活動の継続、生きる意味などを与えてくれる作業を継続できるようにリハビリテーションする必要があると考えます

以上第3ステージの『作り出されたネットワークの伝達速度を上げれるようにリハしろ!』でした

ヒポ太郎的まとめ

運動麻痺回復のステージ理論について、わかりやすく解説してきましたが、いかがでした?

  • 1st stage recovery 残存している皮質脊髄路の興奮に依拠する回復
  • 2nd stage recovery 皮質間ネットワークの興奮性に依拠する回復
  • 3rd stage recovery シナプスの伝達効率の向上に依拠する回復

ざっくり説明すると

  • 第1ステージでは、生き残っている機能(神経回路)をひたすらに刺激してリハをおこなえ!
  • 第2ステージでは、新たに作り出される神経ネットワークをできるだけ良い方向にもってけるようにリハしろ!
  • 第3ステージでは、作り出されたネットワークの伝達速度を上げれる(効率性を高める)ように継続してリハしろ!

なんとなく理論と実際の臨床でどのように考えれば良いかイメージできたんじゃないでしょうか?

難しく思える理論だったけど、日々の臨床で経験することを改めて振り返って、見返してみるととてもわかりやすかったわ

このステージ理論をカッコよく理解して説明することは別に必要ないです

ステージをある程度理解し、目の前の対象者の方にどんなリハビリテーションを実施していくことが必要なのかを考えられるようになったら、それで十分この記事を読んだ価値があると思います

具体的にアプローチ内容は個別性が高く、言及することはできませんが、理論を知っておくことで、絶対に今までよりもリハビリテーションの視野が広がるはずです

原寛美:脳卒中運動麻痺回復可塑性理論とステージ理論に依拠したリハビリテーション(<特集>ニューロリハビリテーションの進歩).脳神経外科ジャーナル.21巻(2012)7号

竹林崇先生のYoutubeでの解説『脳卒中急性期における上肢運動麻痺の回復理論』

脳卒中急性期における上肢運動麻痺の回復理論 -一次・二次障害を分けて考える-

最後まで読んでいただきありがとうございました。ステージ理論についての解説は噛み砕くのが難しかったですが、勉強になりました(笑)皆さんの目の前の対象者の方に1つでもお役に立てれば嬉しいです!

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