リハビリテーションに役立つ!!大脳皮質の機能解剖【前頭葉編】

リハビリテーションに役立つ!!大脳皮質の機能解剖【前頭葉編】

こんにちは、ヒポ太郎です

今回は大脳皮質の『前頭葉』に焦点を当てて解説していきたいと思います

前頭葉っていうと、計画を立てたり、運動を組み立てたりするだよね?

その通りだね。前頭葉については比較的なんの役割があるか知っている人は多いかもしれませんね。今日はより詳しく見てみましょう

結論から述べると、

  1. 運動を引き起こす
  2. 運動を計画する
  3. 学習、記憶、判断、予期などの高次な思考をする
  4. 言語を発声する

の4つに大きくは分類されます

この4つの機能をある程度把握できればOKです

では見ていきましょう!

前頭葉の全体像

前頭葉は解剖学的に大脳の前方に位置しています

中心溝より腹側(前)、側頭溝(シルビウス裂)より前頭側が前頭葉です

前頭葉:1次運動野

1次運動野は皮質脊髄路の起始領域で、反対の身体運動の筋活動を支配し、実行系として機能している

難しく書いていますが、要するに筋肉を動かすための神経(ニューロン)が存在しているということです

ですので、この1次運動野が損傷すると『運動麻痺』が出現するわけです

反対側の身体運動の筋活動を支配しているわけですので、右の1次運動野が損傷すれば、左半身の運動麻痺が生じることになります

1次運動野が損傷したら?

1次運動野が損傷したら、先にも述べた通り『運動麻痺』が生じます

しかし、被殻出血や視床出血で内包などの皮質下組織が損傷するように、様々な症状が組み合わさることは少ないです

例えば、被殻出血や視床出血だと、運動麻痺に加えて、感覚障害、言語障害、記憶障害、半側空間無視などが生じることも多いですが

皮質レベルで1次運動野単体で損傷した場合には、『運動麻痺』のみが生じます

また、筋緊張コントロールに関しても、関与する場所が損傷されにくいため、過度に筋緊張亢進状態にはなりづらく、随意性低下だけの問題とされることが多いです(どちらかというと低緊張状態

前頭葉:高次運動野(運動前野、補足運動野)

高次運動野は運動前野、補足運動野、帯状皮質運動野、前頭眼野に区別される

本記事では運動前野、補足運動野について解説していきます

運動前野

運動前野はブロードマン領域の6野に相当する領域である

運動前野は背側運動前野腹側運動前野に区別される

近い場所にあるにも関わらず、両者は入力源も運動における役割も異なっています

背側運動前野:上頭頂小葉と補足運動野から入力を受けます。外からの刺激に対して、運動を起こす準備中、及び運動中に活動するとされている。運動の大きさや運動軌跡などに関連した運動のパラメータがプログラムされおり、それらを統合して目的の運動を引き起こす

腹側運動前野:下頭頂小葉と頭頂間溝から入力を受けます。視覚誘導性の動作遂時に強く反応するとされています。特定の物品に対して、特定の動作を行うときにだけ活動するニューロンがあるため、視覚認知−運動における両領域の密接な関係が推定されている

補足運動野

運動前野は外的刺激で開始された運動に反応するのに対して、補足運動野は内的に開始された運動に反応するニューロンが多い

補足運動野の大部分は運動開始前に活動し、運動の準備に関与する

補足運動野は前補足運動野と(固有)補足運動野に分けられる

前補足運動野:運動の準備期に活動し、記憶に基づいた連続運動に関与します。前補足運動野からは、補足運動野と運動前野への出力がある。前補足運動野へは前頭連合野や帯状回からの投射がある。感覚野からの入力は少ない。前補足運動野は視覚刺激に反応し、新たな視覚誘導性の順序課題の遂行に先立って活動する。

(固有)補足運動野:補足運動野は1次運動野に直接投射があり、1次感覚野からは密な入力を受けている。補足運動野の主な機能は①両手の強調動作と目的別の使い分け②一連の手順を含む動作を次々と順序よく行う運動の企画と遂行③記憶依存性の運動選択とされて椅子

高次運動野が損傷したら?

自分の意思とは無関係に物品を掴んだり、使用してしまう病的把握反応であったり、目的の作業が遮られたときに、新たに運動プランを切り替えたりすることができなかったりします

内的な運動が引き起こせない場合には運動開始困難、特定の物が目に入ると、本人の意思に関わらず物品を使用してしまう道具の強制使用なども高次運動野の障害で生じます

前頭葉:前頭前野(前頭連合野)

前頭前野はヒトが日常の生活を送るために必要な認識、学習、記憶、判断、予期、ワーキングメモリといった最も高次の心理・精神機能を支えている。

前頭前野は外側前頭前皮質眼窩前頭皮質内側前頭前皮質に分けられます

外側前頭前皮質

外側前頭前皮質は物事を遂行するための認知情報を分析・処理し行動の企画・組織化・制御に関与しています

この外側前頭前皮質はさらに、背外側前頭前皮質と腹外側前頭前皮質に分けられます

背外側前頭前皮質:外から得た情報と自身の内部にある情報を意識的に維持しつつ、統合・監視・操作し行動を適切にコントロールする、遂行機能の最高中枢とされている図の46野の部分は作動記憶(ワーキングメモリ)の領域とされている

腹外側前頭前皮質:情報を想起したり、一時的な遂行過程に関与している。44、45野はブローカ野(運動言語中枢)が存在している。

眼窩前頭皮質

扁桃体などの大脳辺縁系と関連が強く、情動(気持ち)反応からの行動選択を担っている。気持ちの反応から適切な意思決定や行動選択をするための機能がある。

内側前頭前皮質

背外側前頭前皮質や眼窩前頭皮質、扁桃体との結合があり、社会との関わりにおける感情・行動に関与している。また、補足運動野、運動前野との強い関わりがあり、これらの領域からの情報を処理して、社会にむけた行動が起こされる

前頭前野が損傷したら?

図の症候という部分にあるように、遂行機能障害や保続、運動性の言語障害、社会的行動の欠如、性格変化などが生じます

能動性の欠如や同じことを繰り返して行ってしまう、順序立てて計画を立てられない、病前と性格が変わったなどなどの病態が現れます

まとめ

どうでした?前頭葉の機能についてはある程度理解できたかな?

なんとなくですけど、運動を作り出したり、見たものとかに影響して動きを起こしたりするってことはわかりました

  1. 運動を引き起こす(1次運動野)
  2. 運動を計画する(高次運動野)
  3. 学習、記憶、判断、予期などの高次な思考をする(前頭前野)
  4. 言語を発声する(前頭前野)

この4つの役割と区分をなんとなく覚えられていればOKです

臨床上で経験する前頭葉症状は、これらの場所の様々な場所が損傷され、病態は多岐にわたって出現します

具体的なアプローチ方法については、対象者の個別性に関わる部分なので、お伝えできませんが、多くの症例報告などが論文で発表されているため、先行文献を探して、アプローチの糸口を探していただけたらと思います

論文検索するならこちらの記事も参考にしてください

最後まで見ていただいてありがとうございました!本日の参考・引用図書を挙げておきますね!

参考図書