リハビリテーションに役立つ!!運動学習・運動制御の中枢【小脳の機能】

リハビリテーションに役立つ!!運動学習・運動制御の中枢【小脳の機能】

こんにちはヒポ太郎です

今回は運動学習の中枢である小脳の機能についてみていきたいと思います

小脳梗塞、小脳出血により小脳の機能障害でリハビリテーションを必要とする方に対して、少しでも有益な情報となればと思います

脳梗塞のなかでも小脳梗塞は全体の4%程度であり、頻度はそう多くはありません

小脳疾患=失調症状というイメージがあると思います

なぜこの失調症状が現れるのか?を小脳機能を理解して解釈できればと思います

小脳ってどんな役割があるのかな?

人が安定して動くことができるのも小脳が働いてくれているからなんだよ!

難しいことを覚えようとすると、頭がシャットダウンするので、ざっくり以下の機能があるということだけを理解するために見ていただけたらと思います

小脳は大脳皮質や視床、橋核などと連関し、運動学習・運動制御に関わる

では見ていきましょう

小脳の解剖

小脳は橋の背側に位置し、上・中・下の3つの小脳脚で中脳、橋、延髄、脊髄とそれぞれ連絡しています

ざっくりの位置を覚えておけばOKです

脳卒中理学療法の理論と技術 より引用
脳機能の基礎知識と神経症候 ケーススタディ より引用

小脳は虫部(真ん中部分)と半球(両サイド)にわけられます

さらに半球は前葉と後葉に分けられ、それぞれ違う機能を担います。

ざっくり説明しておくと

小脳半球前葉:四肢や体幹の運動制御に関与

小脳半球後葉:運動企画や非運動性の機能に関与

これで小脳の位置と機能を、めちゃめちゃ大まかに理解できましたね

小脳の入出力経路

小脳への入力

小脳への入力は大脳皮質から橋核や脳幹網様体、オリーブ核を介して小脳へ情報が送られますピンク線

どんな情報が送られるかは、後の『大脳小脳連関』で詳しく述べますが、簡単に説明しておくと

運動野から、『こんな運動をしますよー』という運動指令の内容を小脳に伝えます

小脳からの出力

脳機能の基礎知識と神経症候 ケーススタディを一部改編

小脳からの出力は反対側の運動野へ投射があります。また、歯状核から前庭神経核への出力もあり、同側の姿勢制御に関して働いています(緑線

ですので、片側の小脳損傷では損傷側と同じ側の上下肢に障害が生じます

小脳の機能

小脳の機能は、協調運動(運動調節)と運動学習が主な機能です

小脳は大脳皮質由来の運動企画情報を橋核経由で、伸展受容器由来の運動実行後の感覚情報を脊髄由来で受け取る。両者の比較をしそのズレを修正することにより、複雑な運動に必要となる複数の筋活動の正確なタイミングの調節を通して、四肢や体幹の精密で円滑な協調運動を具現する。さらに小脳は運動学習に関わり、練習や訓練による運動や技の上達を可能にする

脳卒中理学療法の理論と技術

要するに、大脳皮質(運動野)から生じた『こんな動きするぞー』という思いと、感覚受容器から戻ってきた感覚『失敗して、こけちゃった』という、予測と結果のズレを修正して、次の運動に役立ててくれる

ということです。俗にいう『体で覚える』というやつです

子供が何度もこけて、歩けるようになったり、自転車乗れるようになったりすることね!

そうそう!そういうことだね。もっと詳しくいうとフィードバックフィードフォワードという機能が働いて、学習されるんだけど、今回はそんな感じで思ってくれればOK

小脳は機能別に脊髄小脳橋小脳前庭小脳に区分されます

それでは機能別に見ていきましょう

脊髄小脳(虫部および半球中間部)

小脳の姿勢制御は主に小脳虫部が担っています

小脳虫部は頭・頸部・体幹から、半球中間部は四肢の筋・腱・皮膚などから感覚情報を受けます

小脳のメイン機能のうち1つを担っている部分です

脊髄小脳では受け入れた情報から運動エラーを検出しながら修正を行うフィードバック機構と、運動に先駆けて、前回の運動エラーを修正して次の行動へ役立てるフィードフォワード機構の働きがあるとされています

何か動作を起こそうとするときに、予測的に姿勢を安定させるため、四肢・体幹の活動を調整する予測的姿勢制御(anticpatory postural adjustments:APA)という反応が起こっています

橋小脳(大脳小脳連関)

小脳のメイン機能のうち、もう1つを担っている部分です

橋小脳には橋核を介して、大脳皮質ほぼ全領域からの入力があります

特に皮質運動野(1次運動野、高次運動野、前頭連合野)からの入力は強くあります(下図の①の皮質橋路)

大脳小脳連関を以下の図にまとめました

こんな図が出てくると

もう無理。こういうややこしいやつ見る気にならないの・・・

という人が多発してしまいますが・・・・

めちゃめちゃわかりやすく説明するので、頑張ってみてください!

運動野などから『こんな動きするぞー』という運動情報を皮質脊髄路(錐体路)を通じて筋肉へ伝えると同時に、皮質橋路→橋核→橋小脳路の経路で、小脳へ運動『こんな動きするぞー(コピー情報)』が送られます青線

実際に行った筋肉などからの感覚情報が小脳へ返ってきます緑点線

『①でコピーされた運動情報』と『②で返ってきた(運動)感覚情報』にズレがないかを小脳で確かめます。ズレが生じている部分を赤核を通じて、視床へ送ります緑点線

視床は小脳から送られた誤差情報を運動野へ返します緑点線

運動野は誤差があったことを認識した上で、それを直すために運動方法を組み替えて指令を出します。その際に赤核を経由して運動修正を行います青線

かなりわかりやすくまとめたつもりですが・・・いかがでしょうか?

何度か見直して頂けたら理解できてくると思いますので、がんばってみましょう!

前庭小脳(片葉小節葉)

前庭小脳は前庭神経を通じて前庭器からの情報を受け取っています。前庭小脳からの出力は前庭神経核を通じて、頸部の筋や外眼筋の運動ニューロンに出力され、歩行や姿勢の維持、眼球運動の制御に関与します

脳機能の基礎知識と神経症候 ケーススタディ

まとめ

どうだったかな?小脳についての理解が少しは深まったかな?

はい!今までボヤッとしていた部分が、ちょっとだけはっきりわかった気がします!

それはよかった!とにかく脊髄小脳と橋小脳(大脳小脳連関)についてを理解しておけばOKだよ!

もう一度見直してしっかり理解しておきます!

小脳は大脳皮質や視床、橋核などと連関し、運動学習・運動制御に関わる

この連関を理解できると、運動調整ができなくなる(失調症状)のも理解ができますね!

まずは必要な小脳の基礎知識を見ていきました

これからアプローチの記事などについても徐々に挙げていこうと思います

今回も最後まで見ていただいてありがとうございました!

参考資料