【知っておきたい検査値】リハビリに役立つ血液データの見方《栄養編》

【知っておきたい検査値】リハビリに役立つ血液データの見方《栄養編》

こんちにはk-hippoです。

作業療法士って血液データとか検査値の見方っていうのはとても苦手ですw

まず養成校でも学校によってはほとんど授業はないですし、急性期に従事しないと、なかなか検査値と隣り合わせでリハビリを行うことって少ないです。

本記事では血液データ(検査値)の中でも”栄養”について取り上げて記事を挙げていきます。

近年ではリハビリと栄養についてのことが取り上げられるようになり、積極的に栄養サポートに作業療法士も加わる機会が増えてきています。

『リハビリテーション栄養』という言葉も聞きなれまして、2019年にはリハビリテーション栄養指導士という資格までできました。

また、2019年に発表された研究では「入院中に栄養状態が低下していき、栄養値を示すGNRIが入退院時の差分ほど回復に影響していた」とあります。

GNRI=(1.489×血清アルブミン(g/L))+41.7×(現体重(kg)/標準体重(kg))

栄養と回復に大きな関係性があるということは、リハビリテーションにおいても、栄養改善が一つのリハであるということになります。

栄養リハビリテーションは切っても切れない関係になってきているということです。

*リハ専門職、リハ学生へ:本サイトでは参考論文や参考図書についてはすべてリンクを提示しています。インターネット情報引用というのは事例報告や論文にはなかなか使えないので、貼り付けるリンク先から書物、論文を入手して原著を読んでいただければ、お役に立つと思います。

リハビリテーション栄養について

本記事では検査値のことについて挙げるのですが、今回は栄養値ということで、少しだけリハビリテーション栄養のことについて触れておこうと思います。

リハビリテーション栄養とは、栄養状態も含めてICF(International Classification of Functional,Disability,and Health;国際生活機能分類)で評価を行った上で、障害者や高齢者の機能、活動、参加を最大限発揮できるような栄養管理を行うことである

Rehabilitaion nutrition for sarcopenia with disability:a combination of both rehabilitation and nutrition care management.

といういうようにいわれています。

リハビリテーション栄養に関しては、日本では若林秀隆先生や吉村芳弘先生が有名ですね。この先生方の論文などを参考にしていただくとよりリハ栄養については深掘りできると思います!

このリハ栄養という部分で考えなければならない検査値を紹介していきます

総タンパク(TP)

総タンパク(TP)基準値:6.6〜8.1g/dL

パニック値(リハ禁忌):10g/dL以上もしくは4g/dL以下

TPとは血液中のタンパク質の総量を表します。血清中には100種類以上のタンパク質があり、その総量がTPです。

肝臓や腎臓に障害を受けると肝臓ではタンパク質が作られにくくなり、腎臓ではタンパク質が排泄されやすくなるため、TPは低下します。

逆に、脱水や多発性骨髄腫があるとTPは増加します。

しかし、TPはさまざまなタンパク質をひとまとめにして検査しています。

そのため、どの種類のタンパク質がTPの値に影響しているかを判断するには血清タンパク分画を測定する必要があります。

リハビリテーションではどのように捉えるか?

Photo by Nicole De Khors from Burst

TP高値の場合

  • リハ前、中、後に脱水症状が出てないか確認しましょう

以下に水分の損失率と現れる症状についての表を載せます。これらの症状を確認しましょう。

グリコ公式HPから転載

TP低値の場合

  • 食事量の確認を行う。食事は高タンパク、高ビタミンの摂取を促しましょう(腎不全などがない場合)
  • 易感性状態なので、リハ前にバイタルサインのチェックを行うようにしましょう
  • 低栄養状態が疑われるとき場合には、リハの負荷に注意しましょう

上記の点を注意しましょう。

特に栄養管理が不十分な状態での積極的な歩行やレジスタンストレーニングでは、使われた筋肉の修復に回されるタンパク質が不足しているため、逆に筋力低下を引き起こしてしまう可能性もあります。注意しましょう。

アルブミン(Alb)

アルブミン(Alb)基準値:3.8〜5.3g/dL

パニック値(リハ禁忌):6.0g/dL以上もしくは2.0g/dL以下

アルブミンは先に記載したTPの一部のタンパク質です。

肝臓で合成されるタンパク質で、血液中に含まれるタンパク質の中では最も多く、総タンパクの約6割を占めます。

浸透圧の維持や、脂肪酸、間接ビリルビン、甲状腺ホルモン(サイロキシン)など様々な物質の輸送体として働きます。

一般社団法人日本血液製剤協会HPより転載

Alb値の異常は産生低下(肝障害、炎症状態、低栄養)、体外への漏出(尿など)、代謝の亢進(炎症状態、甲状腺機能亢進症)などで起こります。

  • 産生低下:肝機能やCRP、TPの値を確認してみましょう。食事量、提供されているカロリー量、消費カロリーなどを確認しましょう。
  • 体外への漏出:尿蛋白の有無を確かめましょう
  • 代謝の亢進:WBC(白血球)やCRP、甲状腺機能を調べてみましょう

リハビリテーションではどのように捉えるか?

低値の場合(特に注意するのは低値の時でOK)

BMIや上腕二頭筋皮脂厚、下腿三頭筋などを測定し、栄養状態をチェック

低Alb状態(3.0g/dL以下)であると抹消の浮腫が生じやすいです。弾性ストッキングの着用や、下腿三頭筋の収縮を促す(筋ポンプ作用)運動を提供しましょう。

また、浮腫が生じた際には臥位のときに下肢を挙上して寝るように指導しましょう。

高度栄養障害(Alb2.0g/dL未満)の場合

機能維持を目的に関節可動域運動や褥瘡予防のためのポジショニングなどにとどめておきます。

中等度栄養障害(Alb2.0〜2.7g/dL)の場合

機能維持を目的とした関節可動域運動を中心に、少しずつ運動を開始して行きましょう。機能改善が見込まれるようであれば、負荷も徐々に上げていきます。

軽度栄養障害(Alb2.8〜3.8g/dL未満)の場合

運動の負荷を徐々に上げていきましょう、栄養状態の改善と共に、負荷量も上げていきます。

知っておくといいこと

最後にちょっとリハ栄養についてですが、栄養状態を考えるときに、知っておくと役に立つものがいくつかありますので少しだけ紹介します

基礎エネルギー消費量(BEE)

男性:66.47+(13.75×体重(kg))+(5.0×身長(cm)-)6.76×年齢(年)

女性:655.1+(9.56×体重(kg))+(1.85×身長(cm))-4.68×年齢(年)

BMI

BMI=現体重(kg)÷身長(m)の2乗 【18.5未満が低体重】

体重減少率

体重減少率(%)=(通常体重−現体重)÷通常体重×100

1週間で2%、1ヶ月で5%、3ヶ月で7.5%、6ヶ月で10%以上減少すれば、中等度以上の栄養障害の疑い

通常体重比

通常体重比(%)=現体重÷通常体重×100

  • 85〜90%:軽度栄養障害
  • 75〜84%:中等度栄養障害
  • 74%以下:重度栄養障害

のように判定されます。

終わりに

最後は少しリハ栄養の話になってしまいましたが、栄養に関する検査値の総タンパクとアルブミンについて記載してきました。

どちらも低値であることがリハ栄養では着目されます。

リハビリテーションに密接に完成ある栄養に関する血液データですので、しっかり覚えておくと視野が広がるでしょう。

また、院内のリハビリだけでなく、在宅場面での生活指導や作業量の調整にも十分に使えると思います。

通所や訪問での利用者さんの直近の血液データなども気にしておくと、より良いかもしれません!

本記事の参考図書