リハビリテーション職に必要な脳画像知識【MRI編】

リハビリテーション職に必要な脳画像知識【MRI編】

こんちは!ヒポ太郎です

私は作業療法士として働いており、約7年以上脳血管疾患の方を中心にリハビリテーション現場で臨床をしてきました

脳画像をみることも多くあり、脳画像と臨床症状を結びつけたり、アプローチに役立てたりすることで、より臨床思考を深められます

脳画像を見ることはセラピストにとって必須条件ではありませんが

大切な評価の1つとして脳画像がみれることでリハビリテーションに応用できることは数多くあります

セラピストが画像をみる必要性については以下の記事を参考に!

リハビリテーション職に必要な脳画像知識【CT編】はこちら

本記事では、セラピストが目にすることの多い『MRI』について、特徴をUPしていこうと思います

結論を述べるとMRIは、急性期脳梗塞の同定、詳細な病巣、病変の同定に有用です!

では詳しくみていきましょう!

*セラピストはあくまで画像をみて、リハビリテーションに役立てるということが目的です。診断をすることではないのでご注意を!

脳画像診断:MRIについて

MRIとは?

MRI(magnetic resonance imaging)とは、人体の水分中に含まれている水素原子を対象に得られた核磁気共鳴信号(NMR)をコンピューターで処理し、画像化したものである。CTのようなX線照射は必要ない。

PT・OT・STのための脳画像のみかたと神経所見

とされています

MRIの特徴

原理を説明されてもいまいちピンとこないので、原理はあまり覚えなくてもオケですww

とりあえず以下にあげる特徴を捉えておけばよいかと

日本を代表するセラピストが伝えるフラッグシップテキスト 極める! 脳卒中リハビリテーション 必須スキルを参考に作成

*にも書いていますが、撮影方法によって画像の見方がやや変化しますし、読影するポイントが違いますので、以下の項目で詳しく触れていきます!

MRIの最大の特徴は

急性期の脳梗塞が同定できる拡散強調画像(DWI)としっかりと病巣・病変を同定できる画像の質の高さ

ということが挙げられます

CTの欠点を挙げると

  • 撮影時間が長い(30分〜40分)
  • 長い撮影時間のため、体動の激しいような病態(高次脳機能障害)の人は撮影しにくい
  • 脳出血鑑別に関してはCTの方が良好
  • ペースメーカー、何らかの手術などで金属が体内に埋め込まれている場合などは撮影困難

というのがあります

MRIの画像

以下の画像は急性硬膜外血腫病変のCT、MRI(DWI、T1強調、T2強調、FLAIR)の画像を並べたものです

日本を代表するセラピストが伝えるフラッグシップテキスト 極める! 脳卒中リハビリテーション 必須スキルから引用

各々の画像の特徴を挙げていきます

拡散強調画像(diffusion weighted image:DWI)

DWIは細胞内における水素分子のブラウン運動を3次元に捉え、これが減衰している部分を高信号(白色系)として描出する。骨や硬膜はほとんど映らず、脳の実質だけをとらえ、T1強調などと比べた場合、鮮明とは言い難い

日本を代表するセラピストが伝えるフラッグシップテキスト 極める! 脳卒中リハビリテーション 必須スキル

とされています

この撮影方法の特徴としては

  • 発症3時間以内の急性期の脳梗塞の病変同定に優れている
  • 新鮮な脳梗塞は白色、陳旧性の脳梗塞は写りにくいと新旧の梗塞同定ができる

が挙げられます

以下の画像ですが、脳梗塞発症当日の撮影画像ですが、DWIのみはっきり高信号が確認できます

日本を代表するセラピストが伝えるフラッグシップテキスト 極める! 脳卒中リハビリテーション 必須スキルより転載

これがとても有用であり、急性期の病変が生じた場合、まずはCTで出血かどうかの判別を行い、その後MRIのDWIで新鮮な脳梗塞があるかどうかを調べることで、かなりの確率で病変を捉えることができます

また、2度目以上の脳梗塞や多発性脳梗塞などで、陳旧性の脳梗塞があった場合

今回発症した新鮮な脳梗塞なのか、陳旧性脳梗塞なのか同定ができることで、麻痺所見や高次脳所見が前からあったものなのか、今回の脳梗塞で生じたものなのかの判別がつきやすくなります

T1強調像(T1 weighted image:T1W1)

脳脊髄液が低信号(黒色)で脳実質が等信号(灰色)となる。脳実質中で白質はやや高信号、灰白質はやや低信号となる。解剖学的構造の同定がしやすく脳表の変化を捉えやすい。そのため萎縮などの形態変化に鋭敏である。

日本を代表するセラピストが伝えるフラッグシップテキスト 極める! 脳卒中リハビリテーション 必須スキル

とされています

この撮影方法の特徴としては

  • とにかく画像が鮮明であるため、脳の構造がわかりやすい
  • アルツハイマーなど脳溝の深さの拡大(萎縮)、脳室の拡大(水頭症など)の病変を把握しやすい
  • 急性期の脳梗塞や炎症性・脱髄性病変は描出しにくい
  • 慢性期の脳梗塞は低信号(黒色)に描出される
  • 亜急性期の血腫など出血は高信号(白色)で描出される

脳溝の同定や脳画像を見る勉強をする際にはT1強調画像を用いて練習すると良いと思います。

回復期病院〜在宅に勤めている方は、継時的なMRIの画像を見る機会は少ないかもしれませんが、急性からもらえる情報として、画像をいただけることがあるので、急性期のMRIをみて勉強していけるとよいと思います

T2強調画像

T1強調画像とは逆に脳実質を低信号〜等信号(黒色ないし灰色)で、脳脊髄液を高信号(白色)で示す。脳実質の中でも白質はやや低信号、灰白質はやや高信号となる

日本を代表するセラピストが伝えるフラッグシップテキスト 極める! 脳卒中リハビリテーション 必須スキル

とされています

この撮影方法の特徴としては

  • T1同様画像の鮮明さがよく、脳実質の病変の検出に有用
  • 急性期脳梗塞が高信号(白色)として鮮明に描出されるが、超急性期(発症から数時間)は描出できない
  • 炎症性病変や脱髄性病変、脳腫瘍などの病変が明瞭に描出できる

が挙げられます

T2の特徴は3番目に挙げている、炎症性病変や脱髄性病変、脳腫瘍などの病変の描出に特化しているという部分でしょう

これらの場所を同定し、腫瘍摘出などを行うのは医師の役目ですが、摘出後失った機能を想定し、その後の生活の再建、リハビリテーションを構築するのはセラピストの役目です

リハビリテーションで積極的に用いる画像ではないかもしれませんが、T2も脳画像読影の練習にとても役立つ画像です

FLAIR像(fluid attenuated inversion recovery)

水の信号を無信号とするため、FLAIRでは脳脊髄液が低信号(黒色)となる。それ以外は基本的にT2強調と同じで脳実質を低信号〜等信号(黒色ないし灰色)で示し、脳実質の中でも白質はやや低信号、灰白質はやや高信号となる

日本を代表するセラピストが伝えるフラッグシップテキスト 極める! 脳卒中リハビリテーション 必須スキル

とされています

この撮影方法の特徴としては

  • T1と同様レベルの脳構造の鮮明さとT2ど同程度の病変の明瞭度を示せる
  • T2では困難であった、脳表面における病変の検出に優れている
  • 白質の虚血性変化に鋭敏であるため、同領域に新規の脳梗塞ができた場合白色が重なり同定が困難な場合がある

が挙げられます

T1、T2強調画像のいいとこ取りをした撮影方法というようなニュアンスで覚えておくと良いでしょう!

脳出血における継時的変化について

MRIの撮影方法によって、脳出血を見るときに、その撮影する時期によって、低信号〜高信号の見え方がが異なります

これはヘモグロビン分解産物の生化学的状態変化によって、MRIの映し出され方に変化が生じるからです

本を代表するセラピストが伝えるフラッグシップテキスト 極める! 脳卒中リハビリテーション 必須スキル

図は被殻出血における各撮影方法の継時的変化をまとめたものになります

T1では最初は描出されないものの、徐々に高信号になり消失していく感じとなり、T2では逆に徐々に低信号となります。

このように撮影する病期によって描出の仕方が違うので、急性期で撮影した画像、回復期で撮影した画像、退院して通院で撮影した生活期での画像などを見比べることができるといい勉強になると思います

本を代表するセラピストが伝えるフラッグシップテキスト 極める! 脳卒中リハビリテーション 必須スキル

表に各病期における描く画像の見え方をまとめたものを貼り付けておきますので、参考にしてみてください!

参考図書